固定価格買取制度とは
固定価格買取制度とは、エネルギーの買い取り価格を法律で定める方式の助成制度のことです。
固定価格買い取り制度は、1978年にアメリカにおいて導入されたPublic Utility Regulatory Policies Act(PURPA)法がそのさきがけとされています。PURPA法は特にカリフォルニア州などにおける風力発電の普及に貢献しました。
その後1990年にドイツが固定価格買い取り制度によって再生可能エネルギーを大量に普及させて電力総需要に対するシェアを2000年の6.3%から2007年末には14%に倍増させて大きな成果を挙げました。
現在では再生可能エネルギーの普及政策として、最も一般的な手法となっています。
日本の制度の特徴
日本では、2009年から固定価格買取制度が始まりました。2011年には売電価格が1Kwあたり48円、2011年以降も42円で、電力会社からの買電価格を大きく上回ります。
このため電気料金を太陽光発電で相殺でき、しかもお釣りが来るという制度ですので太陽光発電システムの導入に大きな役割を果たしています。
現在、一般家庭においては自家消費分を除いた余剰分の電力を買い取る、余剰買い取り制度が実施されています。売電価格は10年間据え置かれますので、売電価格が高い今こそ、導入を考えるにはふさわしい時だといえます。
余剰買い取り制度の政策的な意味合いとしては、余剰分の買い取り価格の方が電力会社の小売り電力価格よりも高いため、自家消費分をなるべく少なくしようとするため、節電を促す効果があるということです。
一方、発電した電力は一旦全て買い取られ、自家消費分の電力は別途系統電力でまかなうという、「全量買い取り制度」もあり、ドイツなどはこの方式です。
全量買い取り制度では節電を促す効果は薄くなるのですが、余剰分の電力が出ない、公共・産業用の設備での太陽光発電システムにおいて、2012年から日本で全量買い取り制度が開始されました。
今後の制度のゆくえ
自家消費をしない施設の屋上とか、空き地などを活用しての太陽光発電もこれからますます広まっていくものと思われます。
太陽光発電の普及が進むと電量料金が高騰する恐れがあります。固定価格買い取り制度を実施して、電量料金が高騰し、再生可能エネルギーの買取を停止したドイツ、スペインの例があります。
再生可能エネルギーの普及は、化石燃料、核燃料から脱却するためにも必要なことですが、固定価格買取制度をどのように進めていくか、日本でも諸外国の例を参考に知恵を絞る必要があると思います。
2012年10月30日