停電・震災時に使うには

2012年に発生した東日本大震災の記憶はまだ私たちの中に鮮明に残っています。大震災後、電気、水道などのライフラインが絶たれ、非常に不便な思いをされた方も多いことでしょう。

大震災後、太陽光発電への関心は更に高まることになりました。震災などの災害時に備えるために太陽光発電システムを導入しようという方も増えています。

また、停電は、自然災害のみならず、事故や送電ラインの故障等、人為的な理由でも起こります。このような災害時に、電力会社の送電線からの電力がストップした場合、太陽光発電はどのように働くのでしょうか?

多くの太陽光発電システムには、自立運転システムが搭載されています。この自立運転機能を使えば、日光さえあれば発電が可能なため、発電した電力を住居内で使うことができます。

自立運転機能の使い方

まず、電力会社の送電線からの電力がストップした場合、太陽光発電も同時にストップしますが、パワーコンディショナーの設定を「自立運転」に切り替えると自立運転が始まります。

同時に太陽光発電ブレーカーをオフにしておくことも重要です。自立運転のさいには、電気系統の事故を避けるため、送電線からの電力を確実に遮断しておくことが必要です。

しかし、使用できる電力量の上限は「1.5kW(1500W)」となっていますので、電力を多く消費する家電(エアコン、ドライヤー、電子レンジなど)は使用することができません。

テレビを観たりパソコンを使ったり携帯の充電などは問題なく行うことができます。

自立運転に変更した場合、通常のコンセントではなく非常用のコンセントのみ使用可能となります。このため使用する家電が非常用のコンセントから遠い場合は延長コードの用意も必要となります。

このように太陽光発電は、停電の不便さを緩和できる画期的なシステムです。計画停電、輪番停電などにも対応可能です。

いざという時に備えて

しかし、太陽光発電はご存じのようにお天気しだいのところがあり、雨天や夜間は発電ができません。昼間発電した電気を貯めておいて夜間使えれば良いのですが、それには蓄電池が必要です。

蓄電池を備えた太陽光発電システムも発売されていますが、価格がさらに高額になるため、普及にはまだ時間がかかるものと思われます。しかし蓄電池の開発も各メーカーが熱心に進めているところですので、将来的には期待大です。

太陽光発電の「自立運転」についてですが、災害、停電が起こる前の平時に、太陽光発電ブレーカーを意図的にオフにし、自立発電を試行してみることをおすすめします。

体験者が語っていましたが、太陽光発電の発電量は不安定なため、1500w以下の家電でも動かなかったり、思っていた以上に不便を感じる場合があるとのことでした。

実際にシステムの不具合ということもありますので、定期点検と同時に「自立運転」の確認も行いましょう。

2012年11月6日

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