家庭用風力発電ってどうなの?
今、再生可能エネルギーとして太陽光発電が脚光を浴びていますが、もうひとつ、風力発電はどうなのかと考える方もいらっしゃるでしょう。
実際、日本では、風力発電は太陽光発電と比べてマイナーなイメージがあります。でも、実は、電力会社が買い取っている再生可能エネルギーの電力量は太陽光の約2倍というデータがあります。
風力発電の特徴
風力発電装置は設置がやや高額になるため、小型の風力発電の買取価格は55円/kWhで太陽光の42円/kWhよりも高くなっています。
風力発電のメリットとしては、CO2を発生しない再生可能エネルギーであり、発電効率がおよそ40%と高いことが挙げられます(太陽光発電は15%程度)。
デメリットとしては、騒音や低周波による人体や周辺環境への影響があること、また、場所によって風力が大きく違うため、生産される電力の変化が大きいことなどがあります。
また、夜間も発電できるのは良いのですが、逆に余剰電力が発生しやすいことも、特徴の一つです。
家庭用の風力発電は?
家庭用の小さな風車ですと直径が2メートル程度で、発電能力は1kWくらいが一般的です。
固定価格買取制度の基礎となるデータでは、小型の風力発電は1kWあたり125万円と見積もられており、太陽光発電の建設費の3倍弱となります。寿命は同等で20年程度とのこと。
そう考えると風力発電は導入メリットに欠けるように思えます。
しかしながら、風の強い地域では電力量が劇的に違ってきます。なぜなら電力量は風速の3乗で増えていくからです。
海岸沿いの場所で平均の風速が5メートル/秒の場合、1kWの風車で年間の発電量は1500kWh程度が見込めます。太陽光発電では平均1200~1300kWhです。
風力発電は買取価格が高いため、海沿いなどの風が強い場所ではメリットが大きくなります。
平均の風速が5メートル/秒とはどのくらいの風速でしょうか?気象庁によると、風速5.5~7.9メートル/秒の定義として「砂埃が立ち、紙片が舞う。小枝が動く」という状態となっています。平均してそのような風が吹く場であれば、設置が勧められます。
地方自治体によっては家庭用小型風力発電機の設置費補助金交付が受けられるところもあります。
お住まいの場所によっては、風力発電も選択肢の一つになるかもしれません。
2012年11月8日